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「地球外生命体らしき」信号はグリーゼ581由来ではなく,16700光年先の球状星団から

Space

ホットエントリに入っていたので反応.

オーストラリア・ウエストシドニー大学のラグバー博士の調査・研究により、遥か銀河の彼方から、地球外知的生命体らしき存在からのパルス信号が発信されている事が明らかとなった。地球外の文明による信号の可能性があるという。

パルス信号が発信されているのは恒星グリーゼ581をまわる惑星からで、地球から20光年離れた太陽系型の天体にあるという。そこには6つの惑星があり、そのひとつは以前から生命体がいてもおかしくないと言われていたグリーゼ581Gであることから、大きな注目を集めている。
(中略)
ラグバー博士は2年前から恒星グリーゼ581の周囲の調査を行っており、そのときからパルス信号の規則性を調査していた。そして今になり、このパルス信号が人工的な文明によるパルス信号の可能性が高いと判断したようだ。

地球外知的生命体らしき存在からの信号を確認 / ラグバー博士「未知の文明からの可能性が高い」 | ロケットニュース24

元ネタであるSETIのレポートによると,信号源は球状星団であるきょしちょう座のTucanae47(NGC104).てんびん座の方角にあるグリーゼ581とはまったく別方向である.
47 Tucanae - Wikipedia, the free encyclopedia

発見者であるRAGBIR BHATHAL氏へのインタビュー記事も読んでみた.博士はインタビューの中でナショナル・サイエンス・ウィーク2009というイベントでGlise581に送るメッセージを募った事例(日本語記事:太陽系外惑星「グリーゼ581d」にメッセージを | 系外惑星 | sorae.jp)に触れているが,氏の発見とは無関係である.どこかの記者がこれを見て勘違いしたのかもしれない.

元ネタの一つであろう記事.グリーゼ581gからの信号,としているが,のちに訂正記事を出している.
an astronomer’s big claims about gliese 581g | weird things

weird things talks to astronomer ragbir bhathal | weird things

グリーゼ581はたかだか20光年先の恒星だが,残念ながらNGC104は16700光年の彼方.もし本当に宇宙人だったとしても,ちょっとコミュニケーションを取るのは難しそう.


(2010/10/25 15:00追記)
そもそも検出された信号が生命体由来であるかどうかについては,今のところ自分には判断できない(信号のスペクトル,観測手法等について明確に示されたソースを見つけられなかった).ちなみにこういう「大発見」はこれまでもたびたびSETIプロジェクトによってレポートされており,特別珍しいものではない(そして,そのたびに冷静な科学者による反論を浴びている).
BBC NEWS | Science/Nature | Astronomers deny ET signal report
'ET' Signal May Have Natural Cause | www.ktvu.com